最近、「シリコーン」について勉強している。きっかけは、仕事でシリコーンに関わる案件が何件かあって、スーパーバイザーに「シリコーンの合成方法、知っていますか?知らなかったら自分で勉強しておいてね」と言われたことだった。
ちなみに「シリコーン」とは、ケイ素と酸素のシロキサン結合(Si-O)の主鎖に有機基が結びついたポリマーのことだ。ポリマーというと、炭素が何個も鎖のように連なっている長い化合物を指すことが多いのだけれど、炭素の代わりに-Si-O-が連なった鎖というわけだ。炭素ベースのポリマーと言えばプラスチックで、プラスチックは今や身のまわりのあらゆるところで使われているのは周知のとおりだが、シリコーンは、炭素ベースのポリマーほどではないにせよ、シャンプーやリンス、化粧品などの日用品にも使われているし(山谷正明[監修]、信越化学工業[編著]、『シリコンとシリコーンの化学』)、コンタクトレンズや乳房インプラントなどの特殊な用途にも使われており、私たちの生活に意外と浸透している。