毎日歩く道をなぞったら、固有の形が浮かび上がる。境界線に定められた閉じた図形が。それは私が地上に刻んだ刻印だ。上空から観察している高次生命体がいたら、その図柄の隠された意味を読み取るかもしれない。ナスカの地上絵やイギリスのストーンヘンジに匹敵するものとして。あるいは開拓時代のアメリカ政府が、その土地を私にくれるかもしれない。私の歩いた跡を境界線とする土地を。
神楽坂に住んでいた頃は毎日同じ道をたどり続けた。線の上に線を何重にも重ねることによって自らの足跡を深く刻みつけるかのように。
作品の帯にはこう書かれている。 「高校卒業から10年間、息苦しさを感じて生きてきた日々。 そんな自分を解き放つために選んだ手段が、 「レズビアン風俗」で抱きしめられることだった―― 自身を極限まで見つめ突破口を開いた、赤裸々すぎる実録マンガ。」 大学があわなくて中退して以来、アル...