3か月前に読書猿ブログに出会ったことは一つの転機だった。それまでも勉強はしていたけれど、なかなかフォーカスが定まらず、新しいことに手を出しては中断することの繰り返しだった。成長を実感できず停滞感があった。勉強の仕方が分かっていなかったのだ。読書猿ブログは、そんな私に、どうしたら勉強を継続できるのか、そのための具体的な方法や何をどう勉強したらいいかなどそれまで誰も教えてくれなかったことを教えてくれた。
助けを求めて『独学大全』(ダイヤモンド社)を改めて開いた。特にモチベーションに関わるところを読み直した。読書猿ブログも参考にした。『独学大全』の最初に「学びの動機付けマップ」という技法が紹介されている。著者の例も紹介されているのだが「著者の場合、いろんなものに手を出し学んだり挫折したりの繰り返しを思い出し」とあり、挫折を繰り返しているのは私だけではないのだと勇気づけられる。
自分の過去を思い出してみた。一番古い記憶は小学校6年生の時に『人間の大地』を読んだことだった。その本を読んだことで人生の目的を与えられ、その後の私の考え方が形作られた。アフリカに行く夢を捨てた後も『人間の大地』および犬養道子さんの他の著書から得た影響は私の根っこになっていることを改めて確認した。『人間の大地』から得たのは「正しい知識を得なければ人の役に立つことはできない」という信念だ。そうか。私は人の役に立ちたかったのか。「何を今さら」と言われそうだが、自分に関するそんな基本的なことさえ自分では分かっていなかった。勉強というのは真理を求めて行うもので、「人の役に立ちたい」という動機は不純なものだと思って切り捨てていたのかもしれない。純粋な学問の方が立派だという考えにとらわれていた。周りに影響されてしまったのだ。
① 行政庁の様々な処理に対して取るべき手続が分からない。
② 行政庁に提出する意見書において説得的な議論が書けない。
③ クライアントの発明の本質が分からない。
今までの勉強はこれらのニーズに完全に即したものとはなっていなかった。必要なのは各状況において取るべき手続をマスターすること、意見書の議論の型をつくること、発明を化学的に読むことだ。しかし、よく考えたら議論の型は資格試験の2次(論文試験)で勉強したのではなかったか。急いで論文試験用のレジュメを引っぱり出したら、議論の型や手続きに関する説明の主要なものが載っていた。必要なのは基本に立ち返ることだった!化学の勉強にしても、難しい専門的なことを勉強するより、自分には抜けている高校化学を勉強したほうが化学の考え方を身につけ発明の本質をつかむ役に立つのではないか。ここでも、必要なのは基本に立ち返ることだ!他人と比べ先を急ぐばかりに、こうした基本のことが見えていなかった。
改めて計画を立て直す必要があった。何をやっていたのだろう、と自分を責めたい気持ちもあったが、「学習は、当初思い描いたとおりには進まない。学習の計画は、多くの場合、変更がつきものだ」(『独学大全』、85)という言葉には力づけられた。著者によればそれは「学習対象について、あまり知らないからこそ学び始めるが、多くを知らない状態で決めた計画には、不備や欠陥があっても不思議ではない」(85-86)からであり、「我々が進む道行きは、他ならぬ我々が学ぶことによって/学ぶことを通じて、変化してしまう」(86)からだそうだ。
結局、新たな目標として以下を定めた。
①レジュメをマスターすること(マスターするための勉強法に関しては「これがマスターへの道→しつこく繰り返す技術、7つのステップ」を参照)
②高校化学の問題集を毎日3頁解くこと
③『入試に出る有機化学の要点』を毎日1ポイント暗記すること
②、③については、『独学大全』の「技法4.1/100プランニング」に「「実現したいこと」を数値目標に変換する」と書いてあるのに従った。
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