2024年5月18日土曜日

100メートルに命をかける人々を描く魚豊『ひゃくえむ。』

 


魚豊さんのことはゲンロンで知った。地動説を唱えた人々を描く『チ。』で有名になり、最近では陰謀論にはまった男性を描いた『ファクト』が話題になっているらしい。その題材のとんがり具合に興味をそそられる。と言いながら、なんとなく読むのを引き延ばしていたのだけれど、最近またゲンロンでの対談を見直していて衝動的に彼の作品を読みたくなった。

インタビューを読むと、ギャグ漫画でデビューしてストーリー漫画に移ったが、物語の骨格(三幕構造)を思いつくまでストーリー漫画が書けずに苦労し、その後連載を書くにあたってどのように構築してよいか分からず苦労したという話だった。その初連載が『ひゃくえむ。』

振り返り 5月18日(土)

最後の更新からほぼ一週間経ってしまった。何もしていなかったわけではない。

心配していた仕事もどうにか制御できる状態を維持している。不思議なもので創作の時間を早朝に切り替えると決めてから、生活にはりがでて、仕事もコントロールできるようになってきた。自分では何をしているか分からずスーパーバイザーに頼り切りだった状態から脱しつつあると感じる。

2024年5月12日日曜日

振り返り

 昨日の決心どおり、気持ちを切り替えて作業に集中できた。試験勉強をしていた時の生活に戻らないといけないのだと分かった。普通に生活しようとする限り、無理。明日から早朝に作業をすることにする。食生活も変えていきたい。

ひらめきマンガ教室の課題講評の動画が無料で公開されているという嬉しいプレゼントがあった。さらに、同教室のゲスト講師浦沢直樹さんの話も30分だけ公開されていて、おもしろかった。私は漫画を描くつもりはないけれど、作品講評は勉強になる。それに、創作をしたくて頑張っている人たちの姿を見ることが自分の励ましになる。

空気の暴力を描く小川哲「革命前夜」(新潮2024年6月号)

 小川哲という直木賞受賞作家を語り手とする『君が手にするはずだった黄金について』に連なる短編。主人公は直木賞受賞1か月後に地方市議会議員の幸田秀吾という男から祝電を受け取り、幸田が誰かを思い出そうとする。浮かび上がったのは「スマイル」と呼ばれていた小学校6年生のときの担任。5年生のときの担任が学級を掌握できなくなり荒れた中で交代した若い教師は徹底的に「いい」人で「いい」ことをしたくなるように仕向けることで生徒の心を掌握していく。例えば、「ホメホメ係」、「感謝の木」。彼の進めるルールは「いい」ことなので反対のしようがないし、生徒たちも褒められると気持ちがいいので、もっと褒められようとしてそのためだけに目につく「いい」ことをする。主人公はその多幸感や教室の空気に新手の収容のような気持ち悪さを感じるが、そういう彼はクラスでは少数派だ。原武史さんの『滝山コミューン1974』が1990年代に甦ったかのようだ。「滝山コミューン」の世界は私にとって既視感のあるもので、私の小学校も振り返ると同じ空気があったし、その後何度も同じような集団を目撃してきて、それが普遍的であるゆえに怖いと思う。この怖さを小説でどう描けるのだろうと思っていたところで、この作品を読んで、このように日常的な作品として描けるのかと感心した。小川さんは、陰謀論にはまる人の話も書いていたけれど、人が何かに支配されていく様子に関心を持っている作家なのだと思う。

2024年5月11日土曜日

日常を描くこうの史代『こっこさん』

 こうの史代と言えば『この世界の片隅に』で知られているので、戦争を描く漫画家というイメージがあるかもしれないけれど、そんな固定されたイメージに収まらない作家だ。『こっこさん』は、ひらめきマンガ教室の受講生が作品の参考にしていたので、どのように参考にしているのか知りたくて読んだ。

雄鶏を拾ってきて飼う話。日常のなかにぴりりとアイロニカルな出来事が生じる、サザエさんのような話の集まり。ボールペンで描いているのかな。線が細くて、トーンをほとんど使っていない。にも関わらず、クライマックスのシーンが美しい。だいたい最後から2ページ目に、半ページほど使う大きなコマで、余韻を残す絵が描かれる。

読んでいて思ったのは、マンガというのがいかに文字以外の情報量が多いかと言うこと。それが小説と決定的に違う。『こっこさん』では雄鶏とやよいとの関係性はほとんど絵によって描かれる。絵によって鶏の凶暴さとか、やよいとのやり取りが読み取れる。さらにコミカルな要素も含まれる。笑いは言葉ではなく絵を通じて伝わってくる。しかも非常に記号的な描写を通じて。

振り返り

GW明けの一週間は、休暇中の仕事がたまっていて恐ろしいほどだった。

どうにか乗り切ったが、乗り切ったと言えるのか。

波にもまれっぱなしで、水面上に顔を出せるときがない。

問題は一日の仕事が終わると体が疲れて、何もできないということ。

仕事を早めに終えたら夜作業できるかと思ったが、たとえ少し早く終わっても体に疲れがたまって動けなかった。金曜日の夜は仮眠をして疲れを取ってから作業をしようと思ったが、なかなか疲れが取れず、3時くらいまで寝てしまった。結局、早起きして作業することに。早朝作業のサイクルのほうがよいかもしれない。

このままだと本当に何もできないで時間が過ぎてしまうので気持ちを切り替えようと思う。

今日のトレーニングはよかった。久々にちゃんと体を動かした感じ。そのおかげで気分もすっきりして日中、作業に集中できた。この調子をキープしたい。

2024年5月6日月曜日

GW最終日

GWもいよいよ終了する。

5月3日の日記でGW中に小説のアイディアを考えると書いた。そして「そろそろ一つに決めないと。そして、書かないと。」と述べた。

その心意気は達成できたのだろうか。ずっと考え続けていたのは事実。そして、その日考えていたアイディアからまた変わった。というかその日考えていたことをひねり回していたら、別のアイディアが出てきたので、完全に違うものになったわけではない。と言い訳してみる。ところで、アイディアが出てきたのはいいがどうしたらエンタテイメント小説になるのだろう。さっぱりわらかない。

100メートルに命をかける人々を描く魚豊『ひゃくえむ。』

  魚豊さんのことはゲンロンで知った。地動説を唱えた人々を描く『チ。』で有名になり、最近では陰謀論にはまった男性を描いた『ファクト』が話題になっているらしい。その題材のとんがり具合に興味をそそられる。と言いながら、なんとなく読むのを引き延ばしていたのだけれど、最近またゲンロンでの...